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算数、数学の力とは

執筆者の写真: 耕治 大下耕治 大下

四則演算や割合など、計算の基礎となる概念がしっかりと理解できていない生徒が増えている、という記事を目にしました。高等教育機関とされる大学においても、そのような例が報告されているようです。彼らは計算自体はある程度の精度でできるものの、問題を出された際にその計算式を正しく作ることができていない、ということのようです。

九九をはじめ、暗記によって四則演算の大元となる法則を理解できても、例えば生活の中で使う割合に関する用語の意味がわかっていなかったり、文章での問いに対して、どのように式を立てればよいか、というところで躓いている学生が一定数いるそうです。これらは問いにある「言葉」の理解を数学の計算の概念に移し替えることが苦手な証左でしょう。

一方、九九でつまづいたがゆえに計算としての割り算が苦手なまま学年を進めたり、分数の扱いが苦手だという学生もいます。単なる計算の力が足りなければ、概念がわかって式が作れたとしても正答までたどり着くことはできません。数学はレベルが上がればそうでもないですが、基本的な問題に関してはなかなか部分点をもらえない種目のため、最後の計算ミスで正答から外れれば単なる×になってしまうこともあります。

苦手な子にとってはこれがなかなか堪えるようで、学習を遠ざける要因にもなってしまいます。計算する力は地道な反復と、式の中で「いまどこを計算しているか」を正しく把握し、部分の計算から全体の式に正しく戻る、という癖をつけることで改善することができます。そして文章題など、応用問題については計算する力だけではなく、問いにある「言葉」を正しく理解し、そのうえで適切に式を立てるという能力が求められます。「言葉」を理解し、操れるようになるには、言葉を使う訓練を積むしかありません。

数学にとどまらず、文章での理解が前提となる問題の出し方が年々増えてきているようです。「言葉」の理解、運用について、意識しながら学び、指導していかねばと思っています。


 
 
 

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