top of page
執筆者の写真耕治 大下

算数、数学の力とは

四則演算や割合など、計算の基礎となる概念がしっかりと理解できていない生徒が増えている、という記事を目にしました。高等教育機関とされる大学においても、そのような例が報告されているようです。彼らは計算自体はある程度の精度でできるものの、問題を出された際にその計算式を正しく作ることができていない、ということのようです。

九九をはじめ、暗記によって四則演算の大元となる法則を理解できても、例えば生活の中で使う割合に関する用語の意味がわかっていなかったり、文章での問いに対して、どのように式を立てればよいか、というところで躓いている学生が一定数いるそうです。これらは問いにある「言葉」の理解を数学の計算の概念に移し替えることが苦手な証左でしょう。

一方、九九でつまづいたがゆえに計算としての割り算が苦手なまま学年を進めたり、分数の扱いが苦手だという学生もいます。単なる計算の力が足りなければ、概念がわかって式が作れたとしても正答までたどり着くことはできません。数学はレベルが上がればそうでもないですが、基本的な問題に関してはなかなか部分点をもらえない種目のため、最後の計算ミスで正答から外れれば単なる×になってしまうこともあります。

苦手な子にとってはこれがなかなか堪えるようで、学習を遠ざける要因にもなってしまいます。計算する力は地道な反復と、式の中で「いまどこを計算しているか」を正しく把握し、部分の計算から全体の式に正しく戻る、という癖をつけることで改善することができます。そして文章題など、応用問題については計算する力だけではなく、問いにある「言葉」を正しく理解し、そのうえで適切に式を立てるという能力が求められます。「言葉」を理解し、操れるようになるには、言葉を使う訓練を積むしかありません。

数学にとどまらず、文章での理解が前提となる問題の出し方が年々増えてきているようです。「言葉」の理解、運用について、意識しながら学び、指導していかねばと思っています。


閲覧数:3回0件のコメント

最新記事

すべて表示

師走2

12月も中旬、朝晩の気温はひとケタや日によっては氷点下になる日も出てきました。周りの山々はまだ紅葉の景色ですが、空気は冬本番、という感じです。 この時期は手足(末端)の冷えが感じられ、体調にも影響を及ぼします。鍼灸院では子どもたち(希望者)に鍼に加えてお灸も施します。特にお...

師走

今年の夏は暑さが長引く、とつい最近まで感じていた気もするのですが、あっという間に12月になってしまいました。中学校では後期中間テストが終わり、成績も帰ってきています。 残すところ定期テストは学年末の1回を残すのみとなりました。三年生は中学生活の集大成のテスト、さらにその先の...

11月のあれこれ

11月も半ばに差し掛かりました。晴れていても「暑い」というよりはさわやかに感じる日が多くなってきたように感じます。とはいえ朝晩はしっかり冷え込む日もあり、すぐ目の前に冬があろうことも実感します。そして日の出、日の入りは顕著に変わっており、昼がみるみる短くなっていると痛感しま...

Comments


bottom of page