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執筆者の写真耕治 大下

成長期のケガ②

人間の身体の動きは、筋肉の収縮により生まれます。関節をまたぐ筋~腱の働きで、可動方向に関節を曲げることができます。それに加えて地面に鉛直に働く重力がアクセルやブレーキになったりします。筋肉と骨の結節部が腱です。成長期は運動強度や習慣が増えることに伴って、筋力が上がりますが、同時に骨も成長し、身長も伸びます。この成長のバランスと、筋力の向上のバランスがうまく取れないと、腱に大きな負担が加わったり、関節の動きに違和感を覚えるようになります。成長とともに、身体の使い方に慣れていきますが、そのバランスが崩れたまま継続的に運動を繰り返すと関節(の動き)に異常をきたすことがあります。特に体重がかかるところ(膝、腰など)は結果的に繰り返しストレスがかかることとなり、成長期特有のオーバーユースによる怪我が起こることになります。

オスグッド(膝)や腰椎分離症(腰)は成長期の運動選手には辛い障害です。これらは整形外科でしっかりと診断してもらい、適切に運動を制限することが何より大切です。特に腰椎分離症はその名前からはわかりづらいですが、腰の骨の疲労骨折です。痛みや違和感がなくなったとしても骨折が治るまでは注意しなければなりません。骨折が治らないまま、断面がずれてしまうと「分離すべり症」という状態になってしまう可能性があるので、焦りは禁物です。体重が比較的重い子、競技特性として左右の腰の捻転動作に差があるスポーツ、そして手足が長く物理的に力のモーメントが大きい子は特にオーバーユースによる障害には注意が必要です。

環境が変わり、張り切る時期だとは思いますが、身体の状態には気をつけながら頑張りましょう。怪我で動けない時期が一定あるのは本人も見ているほうも辛いですね。

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