2023年の入試から広島県の公立校入試は様変わりしました。一般に言う「推薦入試」がなくなり、調査書(内申)の内容も教科ごとの点数に集約されました。従来は調査書においてある程度のウェイトを占めていたボランティアやスポーツ、生徒会活動などの記録欄を廃止するかわりに、全員が「自己表現カード」を作成してその内容に基づく面談によって点数を加える仕組みになっています(前回触れた「自己表現」が評価の2割を占める、という点です)。これらの改正は入学試験に関わる中学校、高校の両方の教員の負担を軽減する、という見地から実施されたようで、日ごろの活動を点数化して教員が評価するのではなく、学業以外の面は自分でアピールする方式になったということです。一方で入試において高校の教員は一人一人を面談する作業が加わり、負担が増えているとも考えられます。日ごろの活動をカードにまとめる、10分の面談の中で簡潔に自分の中学生活についてアピールする、という高度な表現能力を問われているとも言えます。表彰されるような実績があっても、それだけでは評価されず、その実績をカードに表現すること、そして口頭(PCでの発表や、資料を使ってよいようですが)で簡潔にその価値を示すことが求められます。どちらも「言葉」を用いて相手に伝える作業だといえるでしょう。文字、言葉をしっかりと運用して「理解すること、表現すること」を日ごろから繰り返し意識していくことが大切なのでは、と感じています。
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