鍼というと、細い鍼(はり)を皮膚を破って刺す施術を思い浮かべる方が殆どだと思いますが、鍼には刺さない方法もあります。てい鍼という棒状の金属(が多い)を皮膚表面に当てたり、押したり、さすったりすることで効果を出す技術があります。皮膚を破らないので、小児はりでよく使われますが、鍼が苦手な大人や、刺激に弱い方に使う場合もあります。当院では小児鍼もやっていますので、てい鍼をつかって施術することもあります。自子の末っ子がもう3歳なので、実際に小児はりを行う中でも、幼稚園年齢から学童が主になってきていたのですが、先日ひさしぶりに乳児に施術する機会がありました。写真や動画を撮っておけば(もちろん親御さんの同意は必要ですが)小児はりをもっと具体的に知ってもらうこともできたのでは、と今更ながら思いました。
乳児は特に感受性が高く、まだ部位も特定せずにやさしく銅のてい鍼で皮膚表面を広く刺激していきますが、先日施術したあと、その子は速やかに排便があり、親御さんも驚かれていました。実際に対象者がいないと施術する機会もなかなか確保できないのですが、てい鍼を用いた施術はやはり技術が大切でもあります。通常の鍼だけでなく、てい鍼の技術も鈍らないように練習を怠らないようにしたいと思います。
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