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執筆者の写真耕治 大下

日本語の精度

以前も触れましたが、日本語は語順やルールが曖昧でも成立してしまう言語です。それを母語として操る我々は、慣れるに従っていろんな要素を省略して会話を行っています。これはできるだけ負担を減らす「適応」ではあるのですが、言葉を学ぶ過程においては、ある程度しっかりと役割を把握しながら言葉を増やしていくことが大切だと思います。文法的な用語を使って言うならば、主語は何なのか、目的となる言葉は何なのか、何を修飾している言葉なのか、係る先の言葉は適切なのか・・・

いちいち確認しているとくどい日本語になってしまうのですが、話の前段では特にこういったところをはっきりさせておくことが後々のやり取りにおいて大切です。大人同士の会話であれば、行間を適切に補って理解することができますが、小中学生はそのあたりが怪しいがゆえに表現が少しずれている日本語を操りがちです。「何が?何を?」と補足を促したくなる日本語ですね。小中学生の間にくどい日本語を作ることができれば、後々の表現力、理解力につながるだけでなく、外国語の習得において「日本語で」構造を組み立てることができるようになります。日本語の特徴でもある曖昧さを適切な日本語で補えるかどうか、大人の私たちも少し気にかけて言葉を運用すれば、会話を交わす子供たちの言葉も精度があがるのではないかなと考えています。

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