週末を利用して、起立性調節障害のセミナーに参加してきました。起立性調節障害は自律神経系の失調によって、立位での循環調節機能が低下し、結果として朝の起床などが困難になる症状を指します。頭痛や倦怠感などの随伴症状も多岐にわたり、結果として昼夜の逆転が起こったり、外に出づらくなってしまう傾向が強くなります。鍼灸師の団体が主催する勉強会でしたが、小児科の先生や心理士、社会団体の主催者など鍼灸の施術者以外の視点からの話もあり、起立性調節障害をどのように理解するか、という点を重視してプログラムが組まれていたように思います。昨今、小中学生の年代に多い不登校や学校への行き渋りも、この症状によるものが多いことがわかってきています。診断基準などが確立されると同時に、世間でも理解が進んでいく過程にあると思われますが、一見ただの怠け癖と見分けがつきづらいのが難しいところです。
その中でも特に小児科の先生が強調されていたのは、睡眠の質とタイミングを重要視する、ということでした。生活習慣、という言葉で表してしまえばそれまでなのですが、こういった自律神経系の調節機能が減弱していたとしても、夜布団に入り、明かりを消す時間帯をコントロールすることを指導する、とご説明されていました。合わせて疾病教育(つまり周囲の理解)を進めることが大切だとのことです。学校に行きたくない、と言ったときに家族が、友人が、その状況を正しく理解できるかどうか、が本人の回復にも大きく関わります。いざ、自分の子供が学校に行きたくないと言ったときに、親として100%同じ方向を向いてあげられるのか?という点は判断が難しいことではあるのですが、こういった症状がある、という知識が頭にあるだけでも理解の幅ができる、ということだけは実感した次第です。勉強会後の参加者とのご挨拶でもいろいろな話が聞けましたので、対面でのこういった勉強会の機会を大切にしたいと改めて思いました。
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